ランニングを始めて10分ほどでつらくなる場合、ペースが速すぎることや、体が運動にまだ慣れていないことなどが考えられます。原因は症状だけでは特定できません。まずは走りながら会話できる程度までペースを落とし、会話が難しければ歩きを挟んで調整しましょう。10分走れることを、初心者の標準目標や安全基準と考える必要はありません。
10分ほどでつらくなる原因は一つとは限らない
走り始めてすぐに息が上がったり、続けるのが苦しくなったりする原因として、走る速度が自分に合っておらず速すぎる可能性があります。ペースが上がると呼吸が苦しくなり、走り続けにくくなることがあります。初心者がつらさを感じる背景には、走る速さのほか、筋力や心肺機能が運動にまだ適応していない可能性も考えられます。
ただし、「10分で苦しくなる」という状況だけで、体力不足や呼吸法など一つの原因に決めつけることはできません。まずは走る速度を落としたときに楽になるか、歩きを挟むと呼吸を整えやすいかを確認しましょう。ペースを下げても苦しさが強い、いつもと違う症状があるといった場合は、練習方法の調整だけで済ませず、後述する中止・受診の目安も参考にしてください。
会話できるペースまで落とし、歩きを挟む
ペースの目安は、走りながら普通に会話できる程度です。短い返事しかできない、会話を続けるのが難しいほど息が乱れるなら、速度を落とすか、いったん歩いて呼吸を整えましょう。速く走ることよりも、無理なく続けられる強度を探すことが大切です。
走り続けることにこだわらず、短いランニングと歩きを交互にする方法もあります。例として、次のような組み合わせが紹介されています。
- 20秒走って40秒歩く
- 1分走って1分歩く
- 3分歩いて1分軽く走る
これは全員に当てはまる固定メニューではありません。会話が難しくなる、息が整わないと感じる場合は、走る時間を短くするか歩く時間を長くしてください。運動不足を感じている人は、ウォーキングの途中に短い小走りを入れるところから始める方法もあります。ランニング学会の初心者向け案内では、短く走って歩く間欠的な方法や、走る時間と歩く時間の比率で強度を調整する考え方が紹介されています。
また、走る時間を延ばすときは、軽め・短時間から始め、無理のない範囲で段階的に増やしましょう。最初から連続して走ることや、決まった距離・時間をこなすことを目標にしなくても構いません。増やすペースは、体調や運動経験などによって異なります。つらさが強くなるほど急いで延ばすのではなく、次も同じ強度で無理なく行えそうかを目安に調整してください。運動を軽め・短時間から始めて段階的に増やす考え方も参考になります。
呼吸法だけで解決すると考えない
息苦しさを感じたとき、鼻呼吸か口呼吸か、呼吸のリズムが原因だと決めつける必要はありません。楽に感じる呼吸の仕方は、走るペースや人によって異なります。特定の呼吸法を意識すれば、必ず息苦しさがなくなる、または走れる時間が延びるとは限りません。
呼吸が乱れるほどきついときは、まずペースを落とすか歩いて、呼吸が落ち着くかを確認しましょう。落ち着いたら会話できる強度に戻し、呼吸を無理に一定の型へ合わせないようにします。走るペースや人によって楽な呼吸法が異なるという案内もあります。呼吸法を試すことより、苦しさに応じて運動強度を調整することを優先してください。
胸の症状や突然の息切れがあれば走るのをやめる
胸に痛みや圧迫感が出た場合は、走り続けず、まず運動を止めて安静にしてください。運動中に胸の圧迫感や息切れが繰り返し起きる場合は、早めに医療機関への相談を検討しましょう。運動を続けてよいか迷うときも、無理に走り切ろうとしないことが大切です。
突然の息切れや、冷や汗・嘔吐を伴う胸痛などがある場合は、救急要請を検討してください。安静時に強い胸痛が続く、痛みが強くなるといった場合も、緊急性のある症状として扱われています。症状が強いときは自分で走って帰ろうとせず、救急車を呼ぶなど周囲の助けを求めてください。胸痛や息切れの受診・救急要請の目安も確認できます。
ここで挙げた症状に限らず、いつもと違う強い症状があるときは運動を中断し、医療機関へ相談してください。息切れのすべてが救急事態というわけではありませんが、胸の症状や突然の呼吸の変化を「走り慣れていないだけ」と自己判断して続けないようにしましょう。
膝などに違和感がある場合は早めに相談する
走っているときに膝などに違和感が出たら、痛みを我慢して走り続けず、いったん中断してください。歩けば必ず安全、休んで痛みが落ち着けば問題ないとは言い切れません。違和感が続く、繰り返す、走ると強くなる場合は、早めに整形外科へ相談する目安です。ランニング学会の案内でも、膝などの違和感がある場合は早めの整形外科受診を勧めています。
まとめ:走る時間より、無理のない強度を優先する
ランニングが10分続かなくても、原因を体力や呼吸法の一つに決めつける必要はありません。まずは会話できるペースまで落とし、きつければ歩きを挟んでください。短く走って歩く組み合わせから始め、運動時間は軽め・短時間から段階的に調整できます。
胸痛が出たら走るのをやめて安静にし、胸の圧迫感や息切れが繰り返す場合は早めの受診を検討しましょう。突然の息切れや冷や汗・嘔吐を伴う胸痛などでは救急要請を検討し、膝などの違和感が続く場合は整形外科へ相談してください。
