フルマラソンの1週間前は、走行量を落とし、疲労をためる長距離走や強い練習を追加しないのが基本です。短いジョグなどで走る感覚を保ちながら、レース当日に疲れを持ち越さないよう調整します。日曜レースなら、前週日曜に10〜12km、週半ばに2〜3kmの軽い刺激走を行うメニュー例がありますが、すべてのサブ4ランナーに必要な固定メニューではありません。
直前週は走行量を減らし、疲労をためない
レース前に練習量を段階的に軽くする調整を「テーパリング」と呼びます。大会が近づくにつれて練習を増やすのではなく、負荷を落としながら体調を整える考え方です。Alpenの記事では、2〜3週間かけて練習量を減らす例として、レース1週間前を普段の半分程度にする方法を紹介しています。ただし、減らす期間や量は個人差があり、全員が同じ割合にする必要はありません。Alpen「マラソンにおけるテーパリングとは?」
直前週に大切なのは、走行距離を増やして走力を上げようとすることより、これまで積み重ねた練習の疲れを残さないことです。いつもより長い距離を走ったり、きついポイント練習を追加したりするのは避けましょう。レース直前の高強度練習は、走力向上につながる効果が限られる一方、疲労が増えて本番に影響する可能性があると指摘されています。テーパリングの練習例と考え方
日曜レースを想定した1週間のメニュー例
以下は、日曜にフルマラソンを走る場合の一例です。普段の走行量や疲労の状態に合わせて、距離を短くしたり、ジョグを休養に置き換えたりしてください。
| 曜日 | メニュー例 | 調整のポイント |
|---|---|---|
| 前週日曜 | 10〜12km | マラソンペース、または少し速めで走る例。普段の練習から大きく外れるなら省略・短縮する |
| 月曜 | 休養 | 走らず疲労を確認する |
| 火曜 | 軽いジョグ | 普段10km走る人なら、5km前後に短縮する例 |
| 水曜 | 2〜3kmの刺激走 | マラソンペースからテンポ走程度の例。必須ではない |
| 木曜 | 軽いジョグ、または休養 | 普段10km走る人なら5km前後に短縮する例 |
| 金曜 | 休養 | 疲労や体調を優先する |
| 土曜 | 休養 | 普段の習慣に応じて無理のない短いジョグに置き換えてもよい |
| 日曜 | レース | 目標ペースを意識しつつ、当日の状況に合わせる |
この曜日別の例は、日曜にレースがある想定です。レースが別の曜日なら、カレンダー上の曜日をそのまま当てはめず、「レース何日前か」で読み替えてください。掲載されているメニュー例も、必ず実施するべき指示ではありません。曜日別メニュー例
何日走り、何日休むか
この例では、前週日曜からレース前日までに複数日の休養日を設けていますが、休む日数に全員共通の正解があるわけではありません。普段から走る日数が多い人は、距離を短くして走る日を保つほうが調整しやすい場合があります。一方、疲れが強いときは予定していたジョグを休養に変更する選択もあります。
週2〜3日程度のランニング習慣の人は、練習量をさらに減らすことが適切とは限りません。Alpenの記事では、練習量が少ない人は量を大きく減らすのではなく、練習内容を軽くする方法も紹介されています。普段の走行量を基準にして、直前週だけ急に走る日や距離を大きく変えないようにしましょう。
サブ4ペースは目安として確認する
サブ4の目標ペースは、フルマラソンを通して平均約5分41秒/kmです。ミズノは、1kmあたり約5分41秒をサブ4達成に必要なペースの目安として紹介しています。ミズノ「サブ4達成のための練習メニュー」
ただし、このペースで直前週の練習を必ず走る必要はありません。目標ペースを確認することと、レース前に疲れをためないことは別の目的です。直前の刺激走を行う場合も、全力で走る練習ではなく、走る感覚を確かめる程度にとどめるのがメニュー例の考え方です。スタート時の混雑や大会条件などもあるため、5分41秒/kmは完走時間を保証する数値ではなく、目標タイムから見た参考値として捉えてください。
練習量・疲労・痛みに応じて内容を変える
同じメニューでも、直近の練習量や疲労の残り方によって負担は変わります。直前週は、次のように状況に応じて選択してください。
- 普段どおり走れていて、疲れも強くない場合:予定した距離を短めにし、軽いジョグで走る感覚を保つ。刺激走を行う場合も、強度を上げすぎない。
- 脚の重さや疲れが残っている場合:刺激走を省く、ジョグを短くする、休養にする。予定を消化することより、疲労を増やさないことを優先する。
- 痛みがある場合:痛みを我慢して予定の距離やペースを続けない。走ると痛みが出る、または痛みが続くときは、練習を中止して専門家に相談する。
- 普段の練習量が少ない場合:一律に走行量を半分にするのではなく、いつもの走る習慣を保ちながら内容を軽くする方法も検討する。
10〜12km走や刺激走は、直前週に必ずこなす課題ではありません。これまでの調整経験がない、普段の練習に含まれない距離や強度である、といった場合は、無理に取り入れない判断もできます。
練習不足を感じても直前に取り戻そうとしない
レース1週間前に「距離が足りない」「もっと走っておけばよかった」と感じても、前週にロング走や強い練習を追加して埋め合わせるのは避けましょう。直前の練習で不足分を補うことはできず、疲労を増やして本番に影響するおそれがあります。
サブ4向けの脚づくりとして20km走を行う場合、Runnetの記事では、疲れを残さないようレースの10日前くらいまでに終える案が示されています。Runnet「サブ4達成のための脚づくり」 これは個々の走力に合わせた確定メニューではありませんが、少なくともレース前週に長距離走を追加して調整する考え方ではありません。
まとめ
フルマラソン1週間前は、走行量を落として疲労をためず、軽いジョグなどで走る感覚を保つ時期です。日曜レースのメニュー例として10〜12km走や週半ばの2〜3km刺激走がありますが、どちらも必須ではありません。
サブ4の約5分41秒/kmは目標ペースの参考値であり、直前週に必ず走るペースではありません。練習不足を感じてもロング走や高強度練習を追加せず、直近の練習量、疲労、痛み、過去の調整経験に応じて距離を短くするか休養に切り替えましょう。
